不明点は不安や不満の種になる
こんにちわ。組織開発がミッションの人事グループ・組織開発室に所属しているてぃーびーです。
今回は不明点は不安や不満の種になる、ということについてまとめます。
不明点が不安や不満の種になる構造
人はわからないことを推測で埋めます。
推測の内容は、
- その人の思考特性
- その人と会社、上司、同僚との関係性
で決まります。
人は過去の経験を元にした現在の思考特性を元に物事への解釈を行います。
人によって不明点を好意的に解釈することもあれば、敵対的に解釈することもあります。
また、事実と解釈を区別するのが得意な人は、推測はあくまで推測にとどめ解釈を保留にします。
組織の中には様々な人が存在し、つい敵対的な解釈に陥りやすい人もいます。
なお、こういった思考特性自体を非難する意図はありません。過去他者からの被害を被って苦労をしてきた経験が多い人ほどリスクに敏感なものです。
また、関係性の良し悪しによって思考特性の引きずられやすさは変化します。
これらを総合した結果として
- 敵対的思考をしがちだが、信頼関係があるので好意的に捉える
- 敵対的思考が強く、信頼関係があっても敵対的に捉える
- 好意的思考をしがちだが、信頼関係がないので敵対的に捉える
- 好意的思考が強く、信頼関係がなくても好意的に捉える
- 関係性に関わらず、事実と解釈を区別して中立的に捉える
など、それぞれのタイプや状況に応じた結果になります。
この場合、敵対的な解釈による不安や不満を和らげるためには
- 不明点を減らす
- 信頼関係を高める
ということが必要になるわけです。
不明点からの不満の例
部内のリソース不足が続いている状態に対する例
例えば部内のリソース不足が続いている状態があったとします。
- リソースがどのくらい不足しているのか?
- 対策が講じられているのか?
- この問題は任意の時期に解消される予定なのか?
これらの情報がなかった場合、思考特性や信頼関係次第では敵対的な解釈が広がりやすくなります。
- リソースは大量に不足しているはずだ
- 誰も何も対応してくれないなんておかしい
- リソース不足は永遠に続くだろう
のような解釈が生まれ、状況が続くほどその推測はあたかも事実であるかのように捉えられ、それを解決しない組織や責任者への不満になっていく、というのがありがちな状況です。
この場合
- リソースは並レベルの開発者2人分不足している
- 長期的には2名採用することで解消しようとしている
- 採用+そこからの立ち上げはすぐには終わらないので、まずは外部のパートナーさんを増員することで暫定対応とする
- この問題は現在のプロジェクトの終了タイミングまでに限定された問題である
などの情報を提供した場合、不安をつのらせていた人も安心しやすくなります。
また、1回伝えるだけではなく、状況の変化があったら都度経過を共有したり、状況変化はないけどしばらく経過したら、状況が変わっていないことを改めて伝えることも大事です。
マネージャーのマネジメント業務の例
以前「マネージャーのマネジメント業務をメンバーに開示する価値」という記事を書きました。
この内容がまさに今回のお題の事例になります。
まとめ
不明点は不安や不満の種になる、ということについてまとめました。
物事に対する不安や不満は特別に変わった思考ではなく、人間が生きていく上でリスクに敏感であることを踏まえれば多かれ少なかれ様々な人が持つ思考です。こういった事態にならないように、不安を生む可能性がありそうな対象に関する情報はできるだけ関係者に知らせていけるようにするのがよいでしょう。